「お前はまだ若いんだから、金を使うんだとしたら経験に使うんだぞ」
オレがまだ大学を卒業したてだったころ、鬱Pのお父さんとLINEをしていた流れで二人で飲みに行くことがあった。人生において友人の父親とサシで酒を飲む経験はなかなかレアなのでかなり楽しみだった。
実家近くのしょうもない焼鳥屋に集合して、一杯300円くらいの飲んだそばから頭が痛くなりそうな焼酎の水割りで鳥モモを流し込みながら人生の色々について教えてもらった。
色々教えてもらったのに、アルコールが記憶のほとんどを吸収して乾いていってしまい、オレの脳みそには冒頭の言葉だけが残った。
経験に支払うお金
当時はピンと来ていなかったこと
当時のオレはバカすぎて(今でもそうだと言われれば否定のしようもない)、鬱Pの父親に言われたことがピンと来ていなかった。
まず、お金を稼ぐこと自体がうまくできていなかったので生活費以外にお金を使うことができなかったからだ。ちなみにこれは書いていてとても悲しい。
しかし、このアドバイスには大切なことが含まれている。それも2つ。これの意味がわかるようになるのはそこから10年経つか経たないかくらいの時期になってくる。
お金を使うタイミング
一つはお金を使うタイミングの話が含まれていることに気がついた。
「人生いつからでも学べる!」というのは間違いなく事実ではあるのだが、ちょっと考えたら分かる通り学ぶタイミングが早ければ早いほど、人生においてその知識を活用できる期間が長くなるので有利である。これについては異論はないかと思う。
それは「経験」も同じで、はやく体験しておけばその経験から得られる幸せな気持ちの期間も長くなる。
お金を使う対象
もう一つが、文字通り解釈した場合のお金を使う対象だ。
人生においては既に何本も持っているギターを買いたくなったり、そんなに大幅に出音が変わらないであろうエフェクターが欲しくなったりする。もちろんそれらを買うことで、とても嬉しい気持ちになって、そこから48時間程度はギターを弾きつづけられそうな気持ちになるので(気持ちになるだけ)、お金を出す意味はめちゃくちゃある。
しかも、ものを買えばそのものは手元に残る。さらに、リセールバリューが高いかもしれない。それを差し置いてなぜ「経験」にお金を払うのか?
忘れがちだが、確実にタイムリミットがある
「タイムリミット」というと寿命なイメージがある。
このサイトで寿命が計算できる。
死んでしまえば何もかもおしまい。そんなことは誰でもわかっていることだが、日々の生活では意外と意識できていなかったりもする。
今回は寿命ではなくて、何かをやろうと思ってもそれにはタイムリミットがあるという話をする。日々を過ごせばそれだけ身体が衰えていくため、やりたくてもできないことが出てくる。あとは、人生のタイミングでできなくなることがある。
高校生のころ、無意味に友達と一緒にチャリで知多半島(家からめっちゃ遠いというイメージだけ持ってもらえればいい)に行ったりだとかしていた。これはもう体力的にも、友人の人生的にも無理だろう。あとは、大学時代に授業をサボって部室に集合し、毎日毎日飽きもせず後輩と一緒に一生メタリカのリフを弾きつづけたりもした。
ここらへんはもうやりたいと思ってもやれないだろう。まああんまりやりたいとも思わないんだけど……あんまり良い例が思いつかなかったけれど、とにかくオレがいいたかったのは「タイミングを逃すと(やりたかったのに)やれなくなることが出てくる」ということだ。
こう書いていて少し思ったのだが、何もタイムリミットがあるのは経験だけではないかもしれない……たとえば、オレが小学生のころにやりたかったゲームで、親に頼んでも買ってもらえなかったゲームがいくつかある。広技苑(ゲームの裏技がたくさん乗った本。ゲームのキャプチャ画面が多い)を読みながら、やったことのないゲームに思いを馳せていた。まあでもこれも考え方を変えれば、ゲームを買うことは「ゲーム体験を得ること」そのものなので大きく捉えれば、新作のゲームを新作の内にプレイすることは体験を買うことになるのかもしれない。
ま、いうてそんなやりたいことも無いんですけどね
ここまでガチャガチャとなにやら言ってきたが、実際やりたいことはあるのか?と問われても
「すみません、そんなありません」
と答えるほかないのが現状である。
これらの考え方は「DIE WITH ZERO」で学べる。
めちゃくちゃカンタンに本書の内容を説明すると
「死ぬときに所持金を(ほぼ)ゼロにするような生き方をしろ」
ということである。若者たちとかオレとかはおいておいて、おじいちゃんおばあちゃんは常に将来に不安を感じている。これだけお金があれば大丈夫というラインの貯蓄があっても、それ以上に貯蓄しようとする。もうすぐ死ぬのにも関わらず……
あと、おじいちゃんおばあちゃんになるとアクティブなことが全くやれなくなるため、生命維持以外でお金をほぼ使わなくなってくるニュアンスがある。なので、残りの寿命を全うできるだけのお金があれば大丈夫だ。
おじいちゃんおばあちゃんになったときに、その「残りの寿命を全うできるお金」だけを残すような生き方を推奨している。
つまり
「おじいちゃんおばあちゃんになったときのためのことを考えすぎて、今を犠牲にするな」
ということである。
(オレはよく知らないが)老後には2,000万円が必要だとか色々あると思うのだけれども、逆に言うそれは老後に2,000万円以上必要ないためそれ以上ため込むために今を犠牲にしてはいけないとも言えるのかもしれない(結構無理やりだが)。
あ、あとタイトルの射精のくだりは「射精にもタイムリミットがある」と思ったからそうした。おちんちんはいつまでも勃起すると思うなよ……ダラダラと射精するのではなく、アグレッシブに射精していこう。
人生の考え方は人それぞれなんだ