こんばんは、なぎです。みなさまは好きなゲームはありますか?ぼくはあります。スーパードンキーコングです。スーパーファミコンをハードとしてこのゲームは発売されました。スーファミをやっていた時間の80%はこのゲームに注ぎ込まれたといっても過言ではないでしょう。
ドンキーヒエラルキー
ドンキーのうまさで決まる社会的地位
僕は幼稚園児のころからゲームをやっていました。毎日のようにファミコン・スーパーファミコン・Nintendo 64 を起動しては遊び倒す日々です。
幼稚園児の僕が他のゲームと比べてハマり度が深いゲームがありました、それがスーパードンキーコングです。
スーパードンキーコングを知らない人のために軽く説明すると、めちゃくちゃオーソドックスなタイプの横スクロールアクションゲームです。
ゴリラとサルのコンビがウホウホ叫びながらワニの敵キャラを踏んづけたり、ローリングで蹴散らしたりしながらゴールを目指します。当時の横スクロールゲームは大体2Dで作られていた時代にも関わらずキャラクターとステージが3Dでモデリングされており、他のゲームのグラフィックとは一線を画しておりました。
あとのニュアンスとかは僕の Twitch のアーカイブでも観て確認してください。
幼稚園児のヒエラルキーは足の速さとドンキーのうまさで決まる
子どものころは顔がイケているだとかお金を持っているだとか勉強ができるだとかギャグセンスが良いだとかサブカルな趣味を持っているだとかで差は産まれず、足の速さとドンキーのプレイスキルでモテ度が決まりましたよね。
僕は幼稚園児のころは足が一番速かったのですが、小学生に上がると下から数えたほうが早いくらいの立ち位置に収まりました。早熟にしてもその差が埋まるスピードがあまりにも早すぎて愕然としますよね。なので幼稚園のころはモテましたが、小学生の頃はモテませんでした。
繰り返しになりますが幼稚園児のヒエラルキーは足の速さと、それに加えてドンキーのうまさで決まります。
僕はドンキーを毎日プレイしていたので自信がありました。しかしそれも井の中の蛙にすぎませんでした。同じマンションの年上の男の子が僕の家にドンキーをやりにきて驚愕のプレイを目撃します。
「ローリングして穴に落ちると思ったら、次の瞬間には空中でジャンプしていた」
魔法としか思えませんでした。
当時 YouTube なんてもちろんなかったですから「ドンキーコングのキャラコンテクニック3選!」のような動画を観てさっそく自分のドンキーライフに取り込むといったムーブがとれません。なので、ボーナスステージに移行するタルの場所を含め、自分で試行錯誤してテクニックや知識を取り入れていくことが重要となっておりました。
あとは、今は攻略wikiにほとんど淘汰されてしまっている攻略本なるものを親に頼み込んで買ってもらい、それを読み込む必要がありました。僕は幼稚園児のころからゲームの攻略本を読み込んでいたので、他の幼稚園児と比べて圧倒的に漢字を読むことができました。必要にかられて勉学に行き着いたとき、人間は一番パフォーマンスを発揮できるようになるのだと思います。
たかおくん
同じマンションに住んでいたたかおくんは、ドンキーヒエラルキー上位の存在でした。たかおくんは「お前はドンキー下手すぎる、オレのほうがうまい」と常日頃僕に聞かせてきてウザかったのを覚えています。
僕は悔しくてとっさに嘘をついてしまいます。
「僕はドンキーが下手だけど、ドンキーがめっちゃうまい人を知っている。その人はたかおくんよりずっと上手だ」
もちろん嘘なので、そんな人は知りません。そんなやつ知らないだろとたかおくんに詰められて
「その人はすごく恥ずかしがり屋だから人前に姿を表すことはない」
と苦し紛れに嘘を吐きつづけることしかできませんでした。自分が吐いた嘘で自分の首を締めてしまっている状態になった人に追い打ちをかけるのはやめてあげましょう。
また、たかおくんも
「オレはめっちゃドンキーうまいけど、お前がめっちゃうまいって言ってるその恥ずかしがり屋(笑)のヤツよりもうまいやつを知っている」
と嘯きました。幼稚園児だとか小学生だとかは何かとマウントを取りたがりますからね。
ただ僕は、嘘を暴いてやろうとかそういう気持ちは全くなく、「ドンキーがめっちゃ上手い人のプレイを見てみたい」一心でたかおくんにその人の住所を教えてもらいました。
たかおくんは簡易的な地図を書いてくれましたが、よくよく考えてみるとノンアポで知らない人の家にいくのは意味不明だし、その地図をみたとしてもおそらくその人の家にはたどり着けません。しかしそんなことは気にせず、僕はそのドンキーマスターの家の場所を記した紙を握りしめて出かけていくのでした。
ドンキーの高みを目指して遠征
たかおくんからもらった地図は、ドンキーマスターの家の場所を表していました。
幼稚園児が書いた地図なんて正確な場所を表せるはずがありません。この旅は最初から目的地には到達できない旅だったのです。ただ、その地図を頼りに外を歩く僕も幼稚園児です。目的地に到達できないことが分かるはずがありません。
次の瞬間には、僕はよく遊んでいた別の友だちの家の前にいました。ひとしくんの家です。
ドンキーマスターの家にたどり着けることがないとなんとなくわかっていたのかもしれません。僕は確実に遊ぶことができるひとしくんの家の前に漂着していたのでした。
ひとしくんの家のピンポンを押すと、ノンアポにもかかわらず僕を迎え入れてくれました。そして、一緒にドンキーをやりました。ドンキーマスターになんて会わなくても、ひとしくんと一緒にドンキーをやる時間がとっても楽しかったのです。
その後、ひとしくんのお母さんが晩ごはんを作ってくれました。骨付きのチキンをたくさん作ってくれました。とても美味しかったです。
ひとしくんのお母さんは僕のお母さんに電話していてくれて、そのあとお母さんが迎えに来てくれました。
「なんで急にひとしくんの家に出かけていったの?」
お母さんは僕に尋ねました。ひとしくんは同じ幼稚園の友達ではなく、母親同士が友人であることからつながった関係であり、普段僕ひとりで遊びにいく関係性ではなかったからです。
僕は素直に答えられず、ごまかしてしまいました。
ドンキーマスターに会いに行こうとして、途中で諦めたことを伝えられませんでした。
明日、お母さんに電話してこのことを改めて伝えようと思います。
定期的に親に連絡することは、なんだかんだいって大切なんだ